The Japan Info LOG IN | REGISTER
English | 日本語
 
 
Seasons / NatureSeasons / Nature [四季/自然]
world heritage siteworld heritage site [世界遺産]
national treasurenational treasure [国宝、重要文化財]
traditional art & crafttraditional art & craft [伝統美術、工芸]
Culture & LifestyleCulture & Lifestyle [文化・ライフスタイル]
Culture & LifestyleBusiness / Technology [ビジネス/テクノロジー]
Geography [地理] History [歴史]
特集II 「古都奈良の文化財」

古都奈良の文化財誕生の謎を解く
古都奈良の秘話に迫る

特集III「古都京都の文化財」

古都京都の文化財
登録されている十七の神社仏閣
日本独自の文化形成・国風文化

特集IV「屋久島の自然遺産」

屋久島の歴史と共に息づく生命

特集V 「白川・五個山の合掌造り集落」

山岳地帯で育まれた合理的な暮らし

特集VI 「姫路城」

戦乱の中に刻まれた歴史と工夫

 
 
World Culture Heritage
©Yoshimitsu Nagasaka
©Yoshimitsu Nagasaka
©Yoshimitsu Nagasaka
©Yoshimitsu Nagasaka

 

特別インタビュー 永坂嘉光永坂嘉光(ながさか よしみつ)
1948年生まれ。 大阪芸術大学美術学科に入学、写真学科専攻。大学卒業後、岩宮武二に師事するかたわら、大阪芸術大学に勤務。写真学科教授。1980年、およそ10年間の高野山を撮りためた成果を写真集『高野山』で発表。その後も高野山の撮影を続ける一方、日本中に密教を広めた空海に興味を抱き足跡を追って日本各地や中国へ訪問し撮影。1984年にその成果を写真集『弘法大師の足跡』にまとめる。一連の仕事は日本のみならず、米国でも高い評価を受けている。

 

特別インタビュー 永坂嘉光

特集Ⅰ紀伊山地の霊場と参詣道

特別インタビュー 永坂嘉光(写真家)

特集第3週の今回は、「高野山」写真の第一人者、永坂嘉光氏に焦点を当てる。左に掲載されているのが、永坂氏が撮られた写真の数々である。高野山で生まれ育ち、写真家として30年以上に渡って高野山を撮り続けている永坂氏は、神秘的で荘厳な高野山の風景を、吹雪、落雷などの危険も顧みず、一枚一枚、魂を込めながら撮影している。そして、そんな魂のこもった永坂氏の数々の名作は、日本のみならず、海外でも多大なる評価を受けている。また、大阪芸術大学の教授として、若い世代に写真の素晴らしさを伝える教育者としての顔も持つなど、多方面で活躍中だ。そんな、様々な顔持ち、高野山と深い関係を築き上げた永坂氏に、高野山の魅力についてうかがってみた。

 

編集部: まずは、永坂先生が高野山の写真を撮るきっかけを教えていただけますか?
永坂氏: 高野山に生まれ育ち住んでいて、一番この地を知っているからです。ごく自然に撮影したと思います。ある日、再来する事のない高野山の素晴らしい風景に出会いさらにこの地を写す使命感を覚えた事が度々ありました。撮影して行くうちに、この地を写していて良かったと思う写真がよく撮れたのです。
編集部: なるほど、永坂先生は高野山生まれで高野山育ちの使命を、写真に見出されたのですね。ずばり、永坂先生が捉える高野山の素晴らしさ、魅力についてお聞かせ下さい。
永坂氏: 住んでいた時は、見慣れすぎて魅力は余り,感じなかったが、同じ仏都である京都、奈良を見つめてみると、やはり、自由さがある。その理由は修業の場である、伽藍は24時間一般の方も巡れるし、奥の院も24時間参拝できるのです。門があって閉まる事はないのです。つまり、山全体が仏都なので、ここから入れませんと、管理する必要はないのである。また、四季折々の風情が素晴らしいです。高山なので空気が澄み切っていてすがすがしい、しかし、梅雨時の湿気は凄く、この地独特の情景を醸し出します。
編集部: 24時間撮影可能ということは、朝陽を生かした早朝撮影や月明かりの下で深夜撮影したりすることができるのですね。なるほど、永坂先生の写真が神秘的な理由は、いろんな時間帯に高野山が見せる顔にフォーカスを当てているということもあるのでしょうね。それでは、永坂先生の高野山撮影テクニックについて、教えていただけますか?
永坂氏: 同じ被写体(林、山々、お堂、石、)を度々写します。いつもここを写真にしたいと思った場所には何度も足を運び、一番感動できる状況を把握し撮影に挑みます。 ものを写す時に、映像的にシャレて(感覚的)いなくては映像の力が弱まります。しかし、単に造形的でも感覚のみでは、写真を通じて伝わるもの(内容)がありません。 雪が舞ったり,霧に包まれると叙情的になりますが、それのみでは、単なるネイチヤーフォトとなります。そこに聖なる精神性がなくては写真に生命が吹き込まれません。雪は霧は心を動かす叙情性を持っています。私は構成の力と自然から借りた叙情性を加えようと、良く霧の状態を狙います。
編集部:

特に「造形的要素と叙情的要素について」ついては感銘を受けました。確かに永坂先生の撮影された写真(左の写真)には、何かずっしりとした重みのあるストーリーを感じさせられます。特に、「初雪の御影道」(/左写真上から3番目)と「大峯山系の眺望」(/左写真一番下)には、先生がおっしゃっていたように、雪や霧が叙情性を語っていますね。実際に、展覧会でその名作の数々を見た時、作品が持つ荘厳さに圧倒されました。

最新の写真集「聖なる自然 高野山から」の表紙を飾っている写真でも、数百年の齢を重ねた大会堂の不動なる力強い造形と、風に揺らぐ紅葉の情緒性が見事に収められていますね。静と動とでも表現すればよいのでしょうか。技術的にも非常に緻密な計算を感じます。

鬱金の袈裟の僧列が千年杉の間を駆け抜ける作品にも似たような要素、つまり静と動が表現されていますが、両方の作品から長い時間と連綿と受け継がれる循環の思想のようなものが感じられます。美しい対象を撮影する事で確かにそれなりに美しい作品は出来ると思いますが、やはり深い作品を作るには、それ相応の思想というか哲学が必要になってきますよね。でないと精神性が出てこない。これが永坂写真の秘密かな~と感じました。

編集部: 永坂先生、今回はThe Japan Info「紀伊山地の霊場と参詣道」特集にご協力いただきありがとうございました。高野山が持つ魅力をさらに深く感じ取ることができました。今後も、先生の国内外での写真活動を、The Japan Info一同応援させて頂ければと思います。

 

 

◆インタビューを終えて

高機能な撮影機材が安価に手に入り、誰もが気軽にシャッターを切ることができる時代になった。その事自体は喜ばしい事かもしれない。特にここ数年でデジタルカメラが普及し、今やほとんどの携帯電話にカメラが組み込まれている。便利になったのは写真の世界だけではない。おそらく他のあらゆる分野で起こっている事象だと言える。 近代に入り、我々が疑いなく信奉しそして開花させた物質文明は多くのマイナス面を抱えていることは誰もが唱えることである。モノだけではない。人間の考え方や生き方さえ薄っぺらくなってしまっており、現在の延長線上に豊かな社会が訪れるとは私のような楽観論者でも俄に信じ難い。

私たちは永坂氏の作品を通じ「物事の本質」について考えさせられるのではないだろうか?「撮影する」つまり「対象と向き合う」ことがこんなにも気軽になった現在だからこそ、永坂氏の作品は本物の迫力を放ち、徹底的にその違いを教えてくれている。

以下の文章は永坂氏のブログより抜粋させて頂きました。

今のデジタル写真は『表現』を狭くしている様な気がする。 (機械写真である、ロボット 写真だ)そうでもないよーと言われる しかし、デジタルのいい作品が少ない。感動しないんだなー  だれが、写しても到達点は似ているーその似ている作品が山となって  あふれているから、 今までの銀塩写真が見なおされている。  デジタルを扱っている方が、歴史ある写真作品を作る事が出来ていな い ので、ますますデジタル写真が狭い表現になっている。  デジタルはーインクの印刷  銀塩はー写真の色(乳剤)

写真の基礎 デジタルカメラであろうと、マニアル、カメラであろうと、 多くの写真は、被写体が必要である。 被写体とは、写されるもの、 写されるものと、写すものとの関係が、写真の出来、不出来を 左右する。 写す方のー意識がどの程度であるのか、 写される、被写体の性質(物、者、人、自然)を、良く知る。 知る、織る、と、漢字で、その意味合いの段階を現わしているが 被写体をどの様に認識しているかが、問題である。 どこまで、深みにはまるか。

(中略)

写真は被写体の本質を見極めるのが、写真の醍醐味であると思う。

もう、20年前に撮影した空海像。今、撮影の機会が空海により許された様だ、 住職は本堂で撮影前に、お祈りをする。 この様な撮影につきものの、アシスタントは使わなかった。 ほとんどの方が、仏像を物とみなす(商品)。 私はいや、違うのである、 多くの方々の病を直し、癒しを与えた空海尊像、延々とその魂は 空間の中に生きている。 私は、仏像を写すのに、照明器具を、持って行かなかった。 その、堂内のあかりで、写すべきと考えるからだ、なにも多くのライト、多くの アシスタントはいらない、そんな事をすると、実態が写らない。 と、思った。 しかし、おりしも、雨模様の明かりは暗い。  大型カメラであるのでなおさらである。 気が長くなる、撮影に付いて下さった。御住職、1枚120秒露光に も、表情をくずさず12枚撮影と、約3時間、(休みなし、ほとんど無口) に、最後まで撮影を見届けて頂いた。 その間、空海は壮観になったり、何か語りかけているようであった。 住職には、何かメッセージが伝ったと言う。 その事を気にしながら、露光して行く。いつの間にか日が暮れていた。 それでも、何かを求めて何枚も写した。 ライトを使わない、撮影にみんな不安であったことでしょう。 私自身も、暗くて露光がはかれないから、不安であった。 昨日、現像のあがりを見て、よかった、と安心した。 本日住職に見て頂くと、わー、今までの内で一番の作品だー と、喜んでいただいた。 空海が喜んでいるのだー。嬉しかった。

 

 
Link [リンク]
Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range [和歌山県情報館]
Wakayama Prefecture World Heritage Center [和歌山県世界遺産センター]
Mie Prefecture kumano kodo Iseji-route [三重県 世界遺産熊野古道伊勢路]
UNESCO World Heritage Centre [ユネスコ本部]
Wikipedia [ウィキペディア]
  ホーム | 特集 | インタビュー | 地理 | 歴史 |四季/自然 | 世界遺産 | 国宝、重要文化財 | 伝統美術、工芸 | 文化・ライフスタイル | ビジネス/テクノロジー |
フォトギャラリー|フォーラム | イベント 
 
  広告掲載について | ご挨拶 | ヘルプ | 利用規約 | 個人情報保護方針  
  Copyright (c)2009 The Japan Project     Developed by Lotus Web Studios, Inc.