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特集II 「古都奈良の文化財」

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古都奈良の秘話に迫る

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特集-II 『古都奈良の文化財』

知っているようで知らなかった! 古都奈良の秘話に迫る
春日大社に春日山原始林、世界遺産の知られざる秘話から、奈良発祥の日本文化を一挙公開

©Nara Prefecture/©JNTO
World Culture Heritage
Historic Monuments of Ancient Nara [古都奈良の文化財]

第1週で紹介した平城京と古都奈良の文化財の誕生と歴史に加えて、今週は世界遺産登録スポットの知られざる秘話、そして、日頃何気なく使っている物、言葉、行事など、実は「奈良発祥」という物事を紹介します。

奈良に一度でも訪れたことがある人なら必ずや感じたことがあるだろう、その鹿の数の多さ。千年以上も前からその地に住んでいると言われている鹿たちは、春日大社にとって特別な意味を持っている。第1週目に春日大社へ、茨城県鹿島神宮から鹿島神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)を迎えたと紹介したが、実は、この武甕槌命は白い神鹿(しんろく)に乗って飛んでやってきたという伝説があり、奈良の鹿は、その神鹿の子孫として神聖視し、保護敬愛されてきたのだった。さらにそれ以前より、鹿の角は毎年生え替わる再生・生命の蘇りを意味すると考えられたり、鹿には異常事態を予知する超能力があると古代の人は経験から信じていたとされる。事実、各時代の土器や青銅器、埴輪、美術品などに鹿が描かれていることが多いのだ。そこからも、春日大社創建以前より、人々が鹿が「神の使い」としていた理由がわかる。

そんな神聖なる鹿たちが棲息する奈良公園は、鹿たちによってその美しさを保たれていていたのだった。春日大社、東大寺、興福寺、若草山などを含む660ヘクタールの広大な奈良公園の芝生は、人間が刈っているのではなく、鹿たちが絶えず芝生を食べることで芝刈りの役目を果たしている。この芝刈りを人件費に換算すると、数十億円以上するとも言われている。また、鹿の糞は、糞中が分解し、それが芝生や樹木の肥料となると言うのだ。鹿の主食が芝、そしてそこに糞中が存在し、広大な敷地に緑豊かな芝生や木々が保たれている、この一連のつながりは単なる偶然では無いのだろう。

自然に恵まれている世界遺産「古都奈良の文化財」だが、春日大社の神山として知られる「春日山原始林」にも、また知られざる秘話が隠されていた。千年以上に渡って樹木伐採が禁じられていたため、森林が極相に達した原生林が広がっている。また。市街地に近接しているのにも関わらず原生林が存在することは極めて珍しく、保護の対象にすべきとして、世界遺産だけでなく、特別天然記念物にも指定されている。そんな春日山原始林、実は人の手が加えられていたのだ。人の手で壊されることのないこの自然も、台風などの自然被害を受けることがあり、その度に補植されていた。また、豊臣秀吉による一万本以上の杉の寄進もある。人の手が少しだけ加えられているものの、神山に対する人々の信仰・敬愛という点から観ても、春日山原始林の自然は世界遺産として相応しいと言えるだろう。


ここからは、世界遺産から少し離れ、古都奈良の文化財が発展した奈良時代に始まった物事について紹介しようと思う。

和菓子
奈良・平安時代の初期に遣唐使によって唐(中国)から日本に入ってきたと言われている。もともとは唐菓子という名で、現在では飲茶などで知られる点心がモデル。長安にあった点心が日本へ入り、ちまきや煎餅などに形を変えた、それが和菓子の原型だと言う。

七夕
これもまた、中国から奈良時代に到来したと言われる。中国に古くから伝わる宮中で行われていた裁縫の上達を願う乞巧奠(きこうでん)の儀式が、海を渡って日本にも到来した。そして、それに村の災厄を除いてもらうため機屋(はたや)にこもって天から降りてくる神の一夜妻になるという棚機津女(たなばたつめ)の信仰が混ざって浸透したのが七夕なのだ。

蚊帳
奈良時代に成立した日本書記には、「蚊帳」も中国から伝えられたと記されている。そして、この蚊帳が本格的に使われ始めたのも奈良時代で、唐から手法が伝わり、日本にも広まって行ったのだった。

ここから紹介するのは、奈良時代と少しずれるが、奈良と深い関係を持つ「奈良発祥」の物事。

ことわざ「早起きは三文の徳」
奈良時代に誕生したか確かではないが、上でも紹介した「鹿」と大きく関係する。昔、奈良では、鹿が家の前で死んでいると、三文の罰金が科せられたため、早起きして、もし鹿の死体が家の前にあったら、違う場所へ運んでいたらしい。これも一説なので、真義の程は分からないが、鹿を神の使いとした奈良では、信憑性のある説と言えるだろう。

古都奈良の秘話に迫った今回、世界遺産各地だけでなく、奈良時代前後に中国・唐などから伝えられた新しい文化、そして、古くからあった日本文化がその時代なりに発展した物事などをお届けした。神の使いとした鹿信仰、春日山の神山として発展した春日山原始林の保護など日本に元々ある信仰心や物事を守りつつ、外国から入ってくる物事を受け入れそして日本ならではの、独自の発展をさせる。この在り方は、実は現代人が抱えている問題のひとつなのかも知れない。

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薬師寺
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Link [リンク]
Nara Tourist Information [奈良県観光連盟]
Nara City Tourist Section [奈良市観光情報センター]
Nara Narakan [なら奈良館 奈良世界遺産ひろば&ガイド]
UNESCO World Heritage Centre [ユネスコ本部]
Wikipedia [ウィキペディア]
奈良文化財研究所
よみがえれ現代のシルクロード
財団法人ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所
Historic Monuments of Ancient Kyoto [古都京都の文化財] Buddhist Monuments in the Horyu-ji Area [法隆寺地域の仏教建造物] Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range [紀伊山地の霊場と参詣道]
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